「ロシア人って笑ってるイメージないよね~」とか、実際にロシアに行ったことのある人であっても、「お店の店員ですら、笑顔の一つもなく素っ気なかった!なんなのかしら!」なんてお話をされる方がいらっしゃいます。
皆さまの中にも心当たりのある方もいるのではないでしょうか?
日本ではお店であっても、どこであっても、知らない人に対してでさえ割と笑顔でいることが自然な国ですよね。
正直、僕自身も最初にロシアに行った時には、笑顔の少ない?ロシアに戸惑ったりしました。
空港の入国審査ですでに…暗~い、冷た~い!雰囲気が濃いのがロシアです(笑)
ですが、ロシア人の中で生活するようになってから、ロシア人の笑顔の意味の大きさを皮膚感覚で知ることとなりました。
もちろん、ロシア人といっても個人の性格は種々様々であることを偏見のないよう先に申し添えておきます。
さて、今回はロシア人の笑わない理由について、僕個人の経験も踏まえた上で以下の3つのテーマでお話しようと思います。
●「笑う門には福来たらない」のがロシア? 笑う者は愚か者?
●ロシア人には愛想笑いはない? 営業スマイルもない?
●ロシア人から微笑みを得るには?
今回の記事を読んでいただくことで、それまでのロシア人は無愛想で冷たい人たち!?というイメージが変わるかもしれませんよ?
なぜなら、彼らも本当はとても暖かい心の持ち主であるかもしれないのですから。
目次
笑う門には福来たらない!のがロシア? それに笑う者は愚か者?
日本人はたとえ知らない相手であっても笑顔で対応することを割と自然に受け止められますよね?
相手が笑顔だと親切だなと感じたりもします。
ですが、ロシアでは違います。
ロシアでは、笑顔は親切の印ではないのです。
なのでロシア人の多くは親切心で笑顔を見せることはありません。
「Улыбка - знак дурачка」という諺がロシアにはあります。
直訳すると、「笑顔はバカの印」となり、「(知らない)人を目の前にし笑顔を見せる者はバカだ」という意味です。
表現が少々キツいようですが、知らない人が自分に向けて笑顔でいると、「何だ、コイツは? 知り合いでもないのに馴れ馴れしい…」、「ニヤニヤして…頭の変な奴だな?」、「何されるかわからん!」と警戒心をあらわにする人が多いのです。これはロシア人に限った話ではないかもしれません。
ロシアではむやみやたらに笑顔でいると、「何だこの人?おかしいのかな?」と思われかねないので、慎んだ方がいいかも。
特に男性の皆さま、綺麗な女性が多いからといって、ニヤケテばかりいると、ロシアでは痛い目に合うかもしれませんので要注意ですよ!(笑)
ロシアには愛想笑いはない? 営業スマイルもない?
結論からいうと、ロシアに愛想笑いの類がまったくないとは経験に照らしても僕は思いません。
いわゆる「営業スマイル」も最近ではだいぶ増えてきた印象です。
それでも飲食業やサービス業の質はまだまだです(店によって、店員によってマチマチなのが実状です)
笑顔だけが原因ではないのですが、ロシア人には「知らない人や興味のない人に微笑みかける」ことに慣れていない人が多いのです。
先に述べた警戒心も作用しているかもしれませんし、人見知りするシャイな人も意外と多いです。
加えて、「営業スマイル」に関していえば、ロシア人は「仕事する姿」と「プライベートの姿」が別人?ってくらいに違っていたりします(笑)
「仕事は生きるためにしょうがなくやる義務。最低限のことをやってればいい。やることやってるのに何で笑顔見せる必要ある?」みたいな、社会主義時代の悪しき?因習がまだまだ色濃く残っていたりするんですね。
まだソ連崩壊から30年ですから…。
しかし、そんなロシアも個人的にはここ数年だけでもかなり変わってきている印象です。
若い世代はソビエト時代を知りませんし、だんだんと「開けてるな~」って思います。
彼らといると日本人である自分と同じ感覚で付き合えてたりします。
愛想笑いについてですが、愛想笑いをする者は間違いなく弱みがある者か、媚(こび)を売る者だと思われることの方が多いかもしれません(←個人的な感想です)。
寒い寒いロシアであなたが暖かい微笑みを得るには?
ロシア人に暖かい微笑みを得るのに一番簡単な方法を教えます。
ロシア語で話しかけるんです。ただそれだけw
え、ロシア語なんてわかるわけないじゃん!?って思われるのは必須でしょうw スミマセン…。
では、せめて挨拶だけでもロシア語でしてみたらいかがでしょう?
もし興味のある方は、ロシア語の挨拶をわかりやすく紹介した以前の記事も参照くださればサラっと習えちゃいますよ♪ ↓
なぜロシア語で挨拶するのを勧めるかというと、彼らロシア人からすると、「自分たちの言葉で話してくれる人」=「自分たちに歩み寄ってくれる人」と思って親近感を持ってくれるからなんです。
それは僕ら日本人であっても同じではないですか? 外国人観光客が片言でも日本語で挨拶してくれたら嬉しいですよね?
何度も繰り返しになりますが、ロシア人は「知らないもの」や「わからないもの」に対する好奇心はあっても、僕ら日本人とは違い、笑顔として表情には出てきません。
警戒心が表に出てきます。
なので、こちら(外国人)から彼らの言葉で歩み寄ると、人にもよりますが大半は喜びます! 中にはすぐに打ち解けた!なんてことも多々あります。
すると彼らも好奇心を表に出せるようになって屈託ない笑顔になりますよ!
困ったことがあっても、一度打ち解けた仲になると、ロシア人は情深い人が多いので、助けてくれる人が現れます。
ロシアでの生活は日本では考えられないくらいに不便だったりします。だからこそロシア人は友人や家族など横のつながりを非常に大事にします。
僕もたくさん彼らに助けられました。
ロシア人にたくさん傷つき、ロシア人にたくさん慰められましたね(笑)
さらに余談ですが、
ロシアの男性は女性を口説く際に、「Покажи мне твою улыбку.(僕に君の微笑みを見せてくれ)」と言っていることがあります。
ロシアのテレビでは決まってメロドラマをやっているが、少し古いドラマなんかだと、わざとらしいくらいに甘い文句を男性が言っていたりするのを聞くんですよね(笑)
ロシア人にとって「笑顔」とはそれくらいに特別な存在なのです。
「誰彼かまわず振りまくものではない」のです。
ロシア人は知り合いでもなければ笑わないし、誰に対しても笑顔を許すなんてことはしません。
ですが、裏を返せば笑顔を見せてくれるということは心を開いてくれた証とも言えますし、実際にそうなんです。
僕もロシアにいた頃は、家を一歩出ると、知り合いにでも出会わない限りは無表情でいることが多かったですね。
もちろん、治安上の警戒から顔が自然とこわばってくるのもありますけどね(笑)
ただ知人、友人、恋人と会う時は笑顔満開ですよ!向こうもこちらもそれまで貯めていた(?)最高の笑顔を交わし合うのです!
その時のロシア人の笑顔は、本当に宝石のように輝きます!
なぜなら彼らの笑顔は上辺だけの笑顔でないからです!
だからこそ「ああ、笑顔になってくれて嬉しいなあ」ってこちらも本気で思えるのかもしれません。
皆さんも、ぜひロシア人の輝ける笑顔に出会ってみてはいかがでしょうか。
最後に
毎度のこと、長くなってしまったので、最後はササッとまとめて、ビシッと終わります(笑)
ロシア人は知らない者や赤の他人には笑顔を見せない。
それはあなたが嫌だからとかでも冷たい心の持ち主だからでもないのです。
ロシア人は〜↓
①知らない相手には笑顔で答えない(警戒心から)、相手の笑顔の意味をまず考えたりする。相手が笑えば、笑う!って同調意識は薄いかも。
②「微笑み」の価値があるし、安売りなどしない。愛想笑いや営業スマイルがないわけではないが、得意ではない。(それまで仏頂面でいた店員が、知り合いがお客として来た途端に、仕事そっちのけでプラベートな笑顔になりゲラゲラ笑っていたりするw)
③微笑んだり笑うようなら、それは本当の意味での笑顔!
氷が溶けたように、笑顔が生まれた!=あなたは受け入れられた!と思ってもそう間違えではないだろうと思います。
当ブログ「今夜は月見タカ?」では、他にもロシアでロシア人の中に暮らした僕だから見えるロシアについてや、ロシア語講座、語学学習のヒントとなるような情報を発信しております。
今回もご精読いただきありがとうございましたm(_ _)m